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Toe とつまさき: OED

(2014-04-05)
半年ほど前に、
非常に初歩的な英単語の一つである "toe" について書きました。

今回はその続きです。
OED (Oxford English Dictionary) の電子版で、
この単語を引いてみました。

紙の辞書としては20巻になる、
非常に大きな辞書のCD-ROM版です。

この辞書では、
一つの単語に何ページもかけて、
さまざまな実例を示しながら、
その単語の意味や用法を歴史的かつ系統的に説明してあります。
今回とりあげる名詞(n.)の "toe" については西暦725年ごろと推定される例から現代まであります。

全体としては、
四つの定義が載っています。

最初に示される定義はこれです:
1. a. Each of the five digits of the human foot.

これは要するに足のゆび一本一本という意味です。

この意味での決まり文句なども載っていますが、
今回は省略します。

そして、
足全体とか、
足先、
つまり「つまさき」という意味で使われることもあったと記されています!
†c.1.c Put for the foot as a whole, or the point of the foot. Obs.

ここで最初に示されている短剣(†)の印は、
古風な意味・用法であることを示しています。
最後にある "Obs." というのも "Obsolate" つまり、
現在では使われない意味・用法であることを示しています。
1290年ごろと1300年の用例が載っています。

この「足全体」や「つまさき」という意味の "toe" が、
比喩的 (d. fig.) な意味で使われたこともあるとして、
シェイクスピアなど17世紀前半の用例が三つ載っています。

続いて、
オーストラリアやニュージーランドで使われるスラングとして、
"Speed, energy" という意味も載っています。
俊足という感じでしょう。

2番目の定義は次のとおりです:
2. a. Each of the digits of the foot of a beast or bird.

これは人間じゃなくて獣や鳥の足のゆび一本一本という意味です。

ここから派生して、
馬のひずめや馬蹄の前の部分という定義が載っています:
2.b The front part of the hoof (or shoe) of a horse.

さらに、
昆虫の足という定義もあります:
2.c The ultimate joints of the tarsus of insects.

次に、
足のゆびという意味から転移 (transf.) して、
靴や靴下でゆびを覆う部分という意味が示されています:
3. transf. The part of a shoe or stocking which covers the toes;
the hood or cap for the toe sometimes attached to a stirrup;
a toe-piece.

これも、
人間の足のつまさきというよりは、
靴や靴下のつまさきの部分でしょう。

四つ目は更に比喩的な意味になります。
長い物の下の端で、
足のゆびやつまさきの様に尖っていたり、
出っ張っている箇所という定義です:
4. A part resembling a toe or the toes, in shape or position;
(usually) the lower extremity or projection of anything;
a point, tip;
often identical with foot. . . .

この後に出て来る定義は、
どれも比喩的な意味です。

結論として言えば、
OEDに載っている名詞の "toe" は、
人間や動物の足のゆび一本一本というのが基本的な意味であり、
つまさきという意味で使われるのは、
17世紀前半までの英語か、
あくまで比喩的な表現に限定されています。

街の書店等で、
TOEIC対策の単語集や、
中高生むけの教科書を見かけたら、
"toe" をどう説明しているか確かめてみましょう。
「つまさき」しか載っていないとしたら、
現代の日常的な英語より、
シェイクスピア時代の英語や比喩的な表現を重視した教材ということになります。

現代の英語において、
"toe" が「つまさき」という意味で使われることがあるとしても、
それは人間の足の「つまさき」という意味よりは、
靴や靴下のつまさきや、
もっと比喩的な意味である確率が高いです。




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tag : 英語



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Ryotasan

Author:Ryotasan
今は英語関係の仕事をしていますが、高校時代、英語の成績はクラスで最低でした。英語の多読は1978年からしています。海外経験は短期間の旅行を何度かしただけです。留学したことは無いです。ずっと日本で英語をやってきました。最近、フランス語の多読もしています。

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